鏡の前でふと自分の姿を見たときに以前よりも分け目が広くなっているように感じたり頭頂部の地肌が透けて見えることにショックを受けたりする女性は少なくありません。これは特定の部位だけが薄くなる男性の薄毛とは異なり頭髪全体が均一に薄くなっていく症状であり医学的にはびまん性脱毛症と呼ばれています。男性型脱毛症が主に遺伝や男性ホルモンの影響を強く受けるのに対し女性のこの症状は加齢によるホルモンバランスの変化やストレス過度なダイエットによる栄養不足誤ったヘアケアなど様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされる生活習慣病のような側面を持っています。そのため原因を特定することが難しく何を改善すればよいのか分からずに一人で悩み続けてしまうケースが後を絶ちません。しかし裏を返せば生活習慣を見直し適切なケアを行うことで改善の余地が大いにあるということでもあります。まず最初に見直すべきは食生活です。髪の毛はケラチンというタンパク質で構成されていますがこれを生成するためにはタンパク質だけでなく亜鉛や鉄分ビタミン群などの微量栄養素が不可欠です。特に月経のある女性は鉄欠乏性貧血に陥りやすく酸素や栄養を毛根に運ぶ力が弱まっていることが多いため意識的にレバーや赤身の肉ほうれん草などを摂取する必要があります。また極端な糖質制限やカロリー制限を行うダイエットは生命維持に関わりの薄い髪の毛への栄養供給を後回しにさせるため直ちに中止すべきです。次に睡眠の質も重要です。髪の成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため就寝前のスマホ使用を控えリラックスできる環境を整えて深い眠りを確保することが育毛への近道となります。さらに血行不良も大敵です。頭皮が硬くなっていると毛根に十分な栄養が届かないため入浴時などに優しく頭皮マッサージを行い血流を促進させることが推奨されます。シャンプーの選び方や洗い方も見直す必要があります。洗浄力が強すぎる高級アルコール系のシャンプーは必要な皮脂まで洗い流し頭皮を乾燥させてしまうためアミノ酸系などの優しい洗浄成分のものを選び爪を立てずに指の腹で洗うことを心がけましょう。そして何よりも大切なのはストレスを溜め込まないことです。自律神経の乱れは血管を収縮させ髪の成長を阻害します。自分なりのストレス解消法を見つけ心身ともに健康な状態を保つことが遠回りのようでいて実は最も確実な髪の回復への道筋となるのです。