男性型脱毛症(AGA)とは?そのメカニズムと特徴を徹底解説

投稿日2018年12月6日 投稿先 薄毛

男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)は、成人男性に最も多く見られる脱毛症のタイプであり、思春期以降に発症し、徐々に進行していくのが特徴です。一般的に「薄毛」や「若はげ」といった言葉で表現される症状の多くは、このAGAが原因であると考えられています。AGAの主な原因は、「遺伝的要因」と「男性ホルモンの影響」が複雑に絡み合っていることです。具体的には、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、毛根の周辺に存在する「5αリダクターゼ」という酵素によって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このDHTが、毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプター(受容体)と結合すると、毛髪の成長期(アナゲン期)が短縮され、毛髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまう「ヘアサイクルの乱れ」が生じます。その結果、細く短い毛髪(軟毛)が増え、徐々に毛髪の密度が低下し、地肌が透けて見えるようになり、薄毛が進行していくのです。AGAの進行パターンにはいくつかの典型的な型があり、額の生え際の両サイドから後退していく「M字型」、頭頂部から薄くなる「O字型」、そしてこれらが複合的に進行するタイプなどが見られます。後頭部や側頭部の毛髪は比較的AGAの影響を受けにくいとされています。AGAは進行性の脱毛症であるため、何もしなければ薄毛は徐々に進行していきます。しかし、近年では効果的な治療法も開発されており、早期に治療を開始することで、進行を遅らせたり、発毛を促したりすることが可能です。もし、抜け毛の増加や髪質の変化、生え際の後退や頭頂部の薄毛といったAGAのサインに気づいたら、自己判断せずに、まずは皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、専門医の診断を受けることが重要です。