AGA治療薬と男性不妊!フィナステリド・デュタステリドの影響は?

投稿日2024年4月15日 投稿先 円形脱毛症

AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く用いられているフィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンに作用することで効果を発揮します。そのため、これらの薬剤が精子形成や男性不妊に何らかの影響を与えるのではないかと心配される方は少なくありません。特に、これから妊活を考えている方や、既に不妊治療に取り組んでいる方にとっては、非常に気になる問題でしょう。フィナステリドとデュタステリドは、5αリダクターゼという酵素の働きを阻害し、テストステロンからAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)への変換を抑制する薬剤です。DHTは、前立腺や精嚢などの男性生殖器の発達や機能維持にも関与しているため、これらの薬剤が精液の質(精子濃度、運動率、形態など)に影響を与える可能性は否定できません。実際に、フィナステリドやデュタステリドの臨床試験や市販後調査において、精液量の減少、精子濃度の低下、精子運動率の低下といった精液所見の悪化が、ごく一部の服用者で報告されています。ただし、これらの変化は、多くの場合、軽微であり、服用を中止すれば元の状態に戻ることがほとんどであるとされています。また、これらの薬剤を服用している男性のパートナーが妊娠した場合の胎児への影響については、精液中に移行する薬剤の量はごく微量であり、重大な影響を及ぼす可能性は低いと考えられています。しかし、念のため、妊活中やパートナーが妊娠中の場合は、医師に相談し、薬剤の継続について慎重に判断することが推奨されます。特にデュタステリドは、フィナステリドよりも強力にDHTを抑制し、半減期も長いため、精液への影響がより強く、長く続く可能性が指摘されています。AGA治療と不妊治療を両立させたい場合は、必ずAGA専門医と不妊治療専門医の両方に相談し、それぞれの意見を聞いた上で、最適な治療方針を決定することが重要です。