AGA治療薬の基本と主要な選択肢

投稿日2023年5月17日 投稿先 薄毛

AGA、すなわち男性型脱毛症は、成人男性によく見られる進行性の脱毛症です。その主な原因は男性ホルモンと遺伝的要因が関与していると考えられており、放置すると徐々に薄毛が進行してしまう可能性があります。しかし、近年では医学の進歩により、AGAの進行を抑制したり、発毛を促したりするための有効な治療薬が登場しています。これらの治療薬を正しく理解し、適切に使用することが、AGA治療の第一歩となります。現在、AGA治療の中心的役割を担っているのは、主に二つの系統の経口薬(内服薬)です。一つは「フィナステリド」を有効成分とする治療薬です。フィナステリドは、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する働きがあります。DHTは、男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されることで作られますが、フィナステリドはこの5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの濃度を低下させ、抜け毛を減らし、毛髪の成長サイクルを正常化する効果が期待されます。もう一つは「デュタステリド」を有効成分とする治療薬です。デュタステリドもフィナステリドと同様に5αリダクターゼを阻害しますが、フィナステリドが主にII型の5αリダクターゼを阻害するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害するという特徴があります。そのため、より強力にDHTの生成を抑制する効果が期待され、フィナステリドで十分な効果が得られなかった場合の選択肢となることもあります。これらの内服薬は、医師の診断のもとで処方される医療用医薬品です。効果や副作用には個人差があるため、自己判断での使用は避け、必ず専門のクリニックで相談し、指示に従って服用することが重要です。治療を開始する前には、薬の特性や注意点について十分に説明を受け、納得した上で治療を進めるようにしましょう。