AGAは後頭部にも影響する?進行パターンと見分け方
一般的に、男性型脱毛症(AGA)は、前頭部(生え際)や頭頂部から薄毛が進行することが多く、後頭部は比較的AGAの影響を受けにくい「安全地帯」とも言われています。これは、後頭部の毛包が、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)に対する感受性が低いと考えられているためです。しかし、「後頭部は絶対にAGAにならない」というわけではありません。AGAの進行パターンには個人差があり、非常に進行したケースでは、後頭部にも薄毛の影響が及ぶことがあります。例えば、頭頂部のO字型の薄毛が広がり、後頭部の上部まで達したり、前頭部のM字型の後退と頭頂部の薄毛が繋がり、U字型に広範囲に薄毛が進行したりする場合、結果として後頭部も薄く見えることがあります。また、AGAの分類に使われるハミルトン・ノーウッド分類では、進行が進んだステージ(ステージⅤ以上など)になると、側頭部や後頭部にも薄毛が及ぶパターンが示されています。では、後頭部の薄毛がAGAによるものなのか、それ以外の原因によるものなのかをどのように見分ければ良いのでしょうか。一つの目安として、薄毛の進行の仕方が挙げられます。AGAの場合、ゆっくりと時間をかけて進行し、抜け毛は細く短い毛が多くなる傾向があります。一方、円形脱毛症のように突然脱毛斑が現れたり、脂漏性皮膚炎のようにフケやかゆみ、炎症を伴ったりする場合は、AGA以外の原因が考えられます。また、前頭部や頭頂部の薄毛が顕著で、それに伴って後頭部も薄くなってきたという場合は、AGAの影響が広がっている可能性が高いでしょう。しかし、自己判断は難しいため、後頭部の薄毛が気になる場合は、必ず皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、医師の診断を受けることが重要です。医師は、問診や視診、マイクロスコープによる頭皮チェックなどを行い、薄毛の原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。AGAと診断された場合は、フィナステリドやミノキシジルといった治療薬が有効ですが、他の原因の場合は、それぞれに応じた治療が必要となります。