デュタステリドは不妊リスクが高い?フィナステリドとの比較

投稿日2019年12月3日 投稿先 AGA

デュタステリドは、フィナステリドと同様に5αリダクターゼ阻害薬であり、AGA治療に用いられますが、その作用機序には違いがあります。フィナステリドが主に5αリダクターゼのⅡ型を阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。このため、デュタステリドはフィナステリドよりも強力にDHTの産生を抑制し、より高い発毛効果が期待できるとされています。しかし、その一方で、精子への影響や不妊リスクについても、フィナステリドと比較してより慎重に考慮する必要があると言われています。デュタステリドの臨床試験においても、フィナステリドと同様に、精液量の減少、精子濃度の低下、精子運動率の低下といった精液所見の変化が報告されています。そして、その変化の程度は、フィナステリドと比較してやや大きい傾向があるというデータも存在します。これは、デュタステリドがより広範かつ強力にDHTを抑制するため、精巣や精巣上体といった男性生殖器への影響も相対的に大きくなる可能性があるためと考えられます。また、デュタステリドはフィナステリドに比べて体内からの消失が遅く、半減期が非常に長い(フィナステリドが約6~8時間であるのに対し、デュタステリドは約5週間)という特徴があります。これは、服用を中止しても、薬剤の成分が長期間体内に残留し、精液への影響も長く続く可能性があることを意味します。そのため、デュタステリドを服用中の男性が妊活を考える場合、休薬期間をより長く設ける必要があるとされています(一般的に6ヶ月以上)。これらの点から、デュタステリドはフィナステリドと比較して、精子への影響や不妊リスクが相対的に高い可能性があると考える専門家もいます。ただし、これも個人差が大きく、全ての人に顕著な影響が出るわけではありません。デュタステリドによるAGA治療を検討している、あるいは服用中の男性で、不妊に関する懸念がある場合は、必ず医師に相談し、リスクとベネフィットを十分に比較検討した上で、治療方針を決定することが極めて重要です。