AGA以外の脱毛症かも?「効果なし」の原因特定が重要

投稿日2021年5月23日 投稿先 AGA

AGA治療薬を使用しているにも関わらず、「全く効果がない」「むしろ悪化している」と感じる場合、そもそも薄毛の原因がAGAではない可能性も考慮する必要があります。薄毛を引き起こす原因は多岐にわたり、AGA以外の脱毛症である場合、AGA治療薬は効果を発揮しません。そのため、正確な原因特定が非常に重要となります。例えば、「円形脱毛症」は、自己免疫疾患の一種と考えられており、頭部に円形や楕円形の脱毛斑が突然現れる病気です。AGAとは発症メカニズムが異なるため、フィナステリドやミノキシジルによるAGA治療は効果がありません。円形脱毛症の治療には、ステロイド外用薬や内服薬、局所免疫療法などが用いられます。また、「脂漏性皮膚炎」による脱毛も考えられます。脂漏性皮膚炎は、頭皮の常在真菌であるマラセチア菌の異常増殖などが原因で起こる皮膚炎で、フケやかゆみ、炎症を伴い、進行すると抜け毛が増えることがあります。この場合、抗真菌薬配合のシャンプーや外用薬、抗炎症薬などによる治療が必要となります。さらに、「牽引性脱毛症」は、ポニーテールやきつい編み込みなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際などを中心に薄毛が進行するものです。この場合は、原因となる髪型を避けることが最も重要です。その他にも、「甲状腺機能亢進症」や「甲状腺機能低下症」といった甲状腺疾患、膠原病などの自己免疫疾患、鉄欠乏性貧血、栄養失調、特定の薬剤の副作用などが原因で薄毛が起こることもあります。これらの場合、原因となっている疾患の治療や、原因物質の除去が最優先となります。もし、AGA治療を一定期間続けても効果が見られない場合は、自己判断せずに、皮膚科や薄毛治療専門クリニックを受診し、再度詳細な検査(血液検査、頭皮マイクロスコープ検査など)を受け、薄毛の正確な原因を特定してもらうことが不可欠です。正しい診断に基づいて、適切な治療法を選択することが、薄毛改善への第一歩となります。