AGA治療を始めて、もし体に何らかの異変を感じたら、不安に駆られてパニックになってしまうかもしれません。しかし、そんな時こそ冷静に、そして正しく対処することが重要です。副作用が起きた時の適切な対処法と、相談すべき場所を知っておくことは、安全に治療を続けるための必須知識です。まず、行うべきことは「薬の使用を一旦中止する」ことです。自己判断で「これくらいなら大丈夫だろう」と使用を続けるのは最も危険です。特に、動悸やめまい、強いかゆみ、発疹といった、明らかに異常と感じる症状が出た場合は、直ちに服用または塗布を中止してください。次に、どの薬を使用して、いつから、どのような症状が出たのかを、できるだけ詳しく記録しておきましょう。スマートフォンのカメラで発疹などの皮膚症状を撮影しておくことも、後の診察で非常に役立ちます。そして、最も重要なのが「速やかに医師または薬剤師に相談する」ことです。相談先は、その薬を処方してくれたクリニックの医師が第一選択です。オンライン診療で処方を受けた場合でも、電話や専用アプリで医師に連絡を取ることができます。医師は、あなたの症状を聞き、それが本当に薬の副作用なのか、あるいは別の原因によるものなのかを専門的な視点から判断してくれます。副作用であると判断された場合、薬の種類を変更したり、用量を調整したり、あるいは症状を抑えるための別の薬を処方したりと、適切な対応を指示してくれます。例えば、フィナステリドで性欲減退が出た場合、デュタステリドに変える、あるいはその逆を試すこともあります。ミノキシジル外用薬でかぶれた場合は、基剤の異なる製品に変えることで、症状が改善することもあります。もし、処方してくれたクリニックに連絡が取れない、あるいは対応に不安がある場合は、近隣の「皮膚科」を受診しましょう。皮膚科医は、薬疹などの皮膚トラブルの専門家であり、適切な診断と治療を行ってくれます。副作用は、誰にでも起こりうる可能性があります。起きてしまった時に、一人で抱え込まず、すぐに専門家に相談する。その迅速な行動が、あなたの健康を守る上で何よりも大切なのです。