薄毛治療いわゆるAGA治療の世界において科学的根拠に基づき効果が認められている薬は大きく分けて三種類存在しこれらはしばしばAGA治療の三種の神器と呼ばれています。具体的にはフィナステリドデュタステリドそしてミノキシジルです。これから薄毛治療を始めようとする人がまず理解しなければならないのはこれらの薬は全て同じ働きをするわけではなくそれぞれに明確な役割分担があるという事実です。まずフィナステリドとデュタステリドですがこれらは守りの薬に分類されます。男性型脱毛症の根本原因はテストステロンという男性ホルモンが5アルファリダクターゼという還元酵素と結合しジヒドロテストステロンすなわちDHTに変換されることにあります。このDHTが毛根を攻撃しヘアサイクルを乱すことで抜け毛が進行します。フィナステリドとデュタステリドはこの5アルファリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成そのものを抑制し抜け毛を食い止める役割を果たします。両者の違いは阻害する酵素の型にありフィナステリドが主にⅡ型酵素を阻害するのに対しデュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害するためより強力な抜け毛抑制効果が期待できるとされています。一方ミノキシジルは攻めの薬としての役割を担っています。ミノキシジルには血管を拡張させて頭皮の血流を改善すると同時に毛母細胞に直接働きかけて細胞分裂を活性化させる作用があります。つまり畑に例えるならフィナステリドやデュタステリドが害虫や雑草から作物を守るための農薬や囲いであるのに対しミノキシジルは作物を大きく育てるための水や肥料であると言えます。多くのクリニックではこれらの守りの薬と攻めの薬を併用することを推奨していますがそれは抜け毛の原因を断ち切りながら発毛を促進することで最短距離で薄毛を改善できるからです。ただし薬である以上副作用のリスクもゼロではありません。フィナステリドやデュタステリドには性欲減退や肝機能障害のリスクがミノキシジルには動悸やむくみ多毛症などのリスクが報告されています。自己判断で漫然と使用するのではなく医師の指導の下で自分の症状や体質に合った薬を選び適切な用量を守って服用することがフサフサな髪を取り戻すための最も安全で確実な道筋となるのです。